ガンの早期発見に新技術が開発され2020年に試験がはじまる

早期発見であれば助かる病気になりつつあるガンですが、新たに早期発見に役立つ検査キットが東芝で開発されたと報道機関に発表されました。2019年11月25日。
東芝が13種類のガンの早期発見を99%の精度で検出できる機器を開発し、2020年から実証試験を始めるとニュースリリースされ、血液1滴がトレンドワードとしてSNSで拡散されています。
ガンの早期発見が見込める新技術の記事の内容
東芝は25日、1滴の血液から13種類のがんいずれかの有無を99%の精度で検出できる技術を開発し、2020年から実証試験を始めると発表した。東京医科大や国立がん研究センターとの共同研究に基づく成果で、数年以内の実用化を目指す。
血液中に分泌される「マイクロRNA」と呼ばれる分子の種類や濃度を検査し、乳がんや膵臓がん、食道がん、胃がん、大腸がんなど13種のがんについて、ごく初期の段階でも発見できる。実用化すれば、生存率が高まることが期待される。
東芝はRNAを短時間で簡便に検出できるチップや小型機器の開発に成功した。2時間以内に結果が判明するという。
https://this.kiji.is/571349995646157921
この技術が実現すると考えると、早期発見で助かる人が増え、健康寿命もさらに伸びるのではと期待が高まります。
ベンチャー企業が開発した高精度なガン検査技術!
「HIROTSUバイオサイエンス」が「N-NOSE」(エヌノーズ)
たった1滴の尿から15種類のがんリスクを高精度に判定する技術も実用化へ
九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」が「N-NOSE」(エヌノーズ)と呼ばれる最新技術を開発し、線虫による嗅覚の仕組みを使い、がんの早期発見する新技術を開発しています。
線虫が反応することが分かっているがん種類は15種類あり、胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭などの部位にあるガンを発見できるとのこと。
嗅覚に優れた線虫が、がんの匂いに引き寄せられることを利用した検査です。 生物の能力を活用したこの新しい検査は、 簡単で痛みがなく、早期がんにも反応することが確かめられています。
がんの心配がないうちから定期的に受けておけば 万が一、がんが見つかっても、早期治療ができるので、 心身の負担・経済的な負担が減らせます。大切な命を守るために。
「N-NOSE」を受けてみてください。体長約1ミリの線虫を使ったがん検査の開発に取り組む九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(東京)は1日、尿1滴でがんの有無を8割以上の高確率で判定できるという安価な検査法「N-NOSE(エヌノーズ)」を、2020年1月から実用化すると発表した。検査費用は1回9800円。健康診断への導入を希望する企業や医療機関、自治体の申し込みを受け付けている。
線虫は土壌などに生息する微小生物。犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用して判定する。がん患者1400人に実施した検査では的中率は約85%に上り、特にステージ0~1の患者は87%で判定できた。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」よりかなり高確率という。
反応するのは胃、大腸、肺、乳、膵(すい)臓、肝臓、子宮、前立腺など15種のがん。現時点では検査でがんの部位までは判明しないが、今後は特定も目指す。
当面は尿を都内にある同社の検査施設に持ち込んで解析する。結果報告まで1週間から1カ月ほどかかる。1年目は25万人分の解析が可能で、従業員健診への導入を目指す企業から問い合わせが相次いでおり、既に約10万人分の検査が予定されている。
同社は2016年、当時九州大助教だった広津崇亮社長が設立。福岡県と同県久留米市の支援を受け開発を進めた。この日、久留米市役所で会見した広津社長は実用化への最終調整として、同市と同県小郡市の職員から希望者約120人を対象に検査し、運用の流れを確認すると明らかにした。
広津社長は「技術的な検証はほぼ終わった。がんの検診率を上げるには画期的な技術が必要。特に子育てや仕事で検診率が低い若い女性の検診率アップにつなげたい」と話した
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/547647/
一般的なガンの早期発見する方法はPET検査
現在、一般的にはガンの早期発見にはPET検査を行うことで早期発見ができるとされています。
PET検査はのメリットは
- 較的早期の段階で「がん」の発見が可能 ※1
- 全身を一度に調べられ、予想外の「がん」の発見に威力を発揮
- 「がん」の再発や転移が調べられる
- 痛みや不快感が少ない
※1「がん」の種類によっては得意・不得意とするものがあります。
ただ、一般的な肺がん検診の発見率が0.04%(平成27年度 厚生労働省の報告)であるのに対し、PET検査では発見率は0.25%でした。西クリニック
早期発見はとても素晴らしい技術だし、ガンの早期発見で多くの人の命が救われる可能性があることは間違いないのだけれど、がん細胞は常に作られ、消されていくものです。
ガンは1日5000個も作られている
がん対策推進企業アクションによれば、人間の体の中では1日に5000個ものガン細胞が形成されていると言われています。
https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/susume/2009/contents2.html
つまり、ガンは日常的に私達の体の中に存在しています。しかし、なぜガンにはならないかというと自己免疫機能の働きによってがん細胞が駆逐されているからです。
がん検査はこのような日常的に発生しているガンを検出するわけではないとは思いますが、どこまでのガンを早期に発見し、どこまでのガンは早期発見しないのか?
判断は難しいのではないでしょうか?
あまりにも精度の高いガン検診になると、人間全員がガンと診断されてしまう状態になってしまいます。あらゆる可能性を考えるとこのような状況も考えられるわけです。
ガンになることはとても不安なことなので、検診で早期にガンを発見したいところですが、探そうとすればするほど、がん細胞は日常的に私達の体の中に存在しては消え、再び現れては消えるという状況を繰り返しています。
ガンの早期発見に対する新たな技術は嬉しいニュースではありますが、検査の精度が上がることによってガンと診断される人が増加してしまわないか心配です。