ペストはどうやってうつる?感染拡大が怖い致死率の高い病気

ペストはどうやってうつる?感染拡大が怖い致死率の高い病気と言われています。
近年に感染が確認されている3大流行地はマダガスカル、コンゴ民主共和国、ペルーと言われています。
今回は中国北京、内モンゴル出身の人からの感染が確認されているようですが、ペストとはいったいどのような流れで感染してしまうのでしょうか?
空気感染や、飛沫感染(ひまつかんせん)、接触感染など、感染ルートには色々ありますが、ペストはどうなんでしょう?
ペストとはペスト菌による感染症いわゆる黒死病(こくしびょう)
ペストはペスト菌による感染症で、ヨーロッパで大流行が繰り返され有名となっています。皮膚が黒くなって亡くなるため、別名「黒死病」(こくしびょう)と呼ばれ人々に恐れられ、不安と恐怖を巻き起こしました。
現代では抗生物質のおかげで治療できる病気ですが、地域での流行がみられる国があり、毎年2,000人程度の患者が報告されています。
腺ペストと肺ペストの違い
腺ペストと肺ペストの違いは主に感染経路の違いになります。
ペスト菌(Yersinia pestis)は症状や感染経路で、腺ペストと肺ペストに分けられる。
腺ペスト:菌を保有するネズミなどのげっ歯類からノミなどを介して感染する。
症状:局所のリンパ節腫大と痛み、突然の高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛などをきたす。
肺ペスト:咳などによる飛沫感染(ひまつかんせん)でヒトからヒトに伝播する。腺ペストから続発する場合もある。
症状:最初の症状は、発熱、頭痛、元気の無さ、そして血痰あるいは水っぽい痰を伴った咳です。 嘔気・嘔吐・腹痛・下痢といった胃腸の症状が見られることもあります。 肺炎が2-4日間で悪化しショックを起こします。 早期からの治療がないと死亡の可能性があります。
つまり、菌を保有するげっ歯類(げっしるい)今回のケースではマートンというげっ歯類の動物からの感染だと腺ペストとなり、その後、感染者の咳などによる飛沫感染(ひまつかんせん)で人へ感染が拡大してしまうと、肺ペストとして感染が拡大してしまうということです。
どうやってうつる
感染したノミに咬まれることによって人へうつります。また、肺に感染すると患者の咳によって、容易に人から人へとうつります。
症状
最も多いのが、ノミに咬まれた場所に関係したリンパ節に感染が起こり、腫れと痛みをきたす症状です。その後、高熱や皮膚に出血をともなう発疹がみられ、治療しないと高率で死亡します。肺への感染が起こると、発熱、咳、痰など肺炎の症状が出現します。人への感染力が強く、放置すると100%死亡します。
また、血液中にペスト菌がばらまかれ、ショックをきたし、死亡する状態が10%程度にみられます。
治療
できるだけ早く抗生物質を投与することで治療できます。また、ペストの患者に接触した人には予防のために抗生物質を投与します。
予防
現在使用可能なワクチンはありません。
- ペスト菌を持つノミは、ネズミによって運ばれます。このため、感染が起こる地域では、ネズミが生息している場所に立ち入らないことが重要です。
- 肺ペストが流行している地域には立ち入らないようにします。流行時は、激しい咳をしている人には近寄らないようにして下さい。接触してしまった場合には直ちに医療機関を受診し、予防のための抗生物質服用について相談してください。
危険のある地域
ペストの流行は、アジア、アフリカ、アメリカの広い地域で起こっています。